人口減少を背景に始まった地方創生について、前回はその定義や人の流出構造、若者の意識変化を中心に振り返りました。特に進学・就職時に地域から若者が流出し、戻らない現状と、それに伴う負のイメージの存在を共有しました。
一方で、地域の魅力や課題を語ることで若者の意識が変わり、行動につながる事例も紹介されました。今回は、人口減少によって医療・交通・商業などの生活サービスが縮小し、地域に様々な課題が生じる点を踏まえ、その実態を考えるとともに、解決に向けた小さな取り組みやビジネスの可能性について議論していきます。
人口減少により、ガソリンスタンドやバス、医療・介護などの生活サービスが維持できなくなる課題が各地で生じています。これに対し、従来の市場原理や行政だけに頼るのではなく、地域住民や企業が主体となって支える新たな仕組みづくりが求められています。小規模でも持続可能なビジネスとして、買い物支援や福祉サービスなどを地域内で運営する動きが広がっています。
こうした取り組みはボランティアではなく、地域課題をビジネスとして解決する「小さなイノベーション」であり、企業と地域が共に支え合う新たな関係づくりが重要となっています。
買い物難民の増加は、高齢化や地域の商業施設の減少が背景にあります。行政による「公助」には限界があるため、民間による「共助」が重要とされています。
初山鮮魚店の事例では、来店できない高齢者への配達を自然に行い、さらに空きテナントを活用してイートインや交流の場を創出しました。そこに他事業者も加わり、販売や集客が広がりました。このように、小さな拠点で人が集まる居場所とコミュニティをつくることが、地域課題の解決とビジネスの両立につながることが示されています。