人口減少が地域に及ぼす影響について、まず生活サービスの崩壊、労働力不足、農地・林野の維持、地域経済の縮小、教育環境の矮小化、買い物などの生活環境の悪化、医療福祉では、介護人材不足、地域コミュニティの希薄化・空き家問題などの地域社会の維持問題、地方行財政問題など多方面への影響を指摘。
様々な地域課題をビジネスで解決するには、コミュニティの存在が欠かせない。
信濃の雲南市では中野の里づくり委員会が実施している「笑んがわ市」やはたマーケット(買い物支援)などの地元で運営する仕組みについて先進的事例を紹介。地域で経済が循環する仕組みを考えて自ら活性化しようという仕組みづくり。コミュニティは武器(金)になる。
盛山裕史さん:秋津野ガルテンの例を聞いて、西里小学校を利用したジビエのイベントで20人の関係者がすぐに集まった。これがコミュニティビジネスの可能性を感じた。人口減少でインフラがなくなる。高齢者も巻き込めるコミュニティが大事。また楽しむこともかっこいい大人の要素では。
御木徳大さん:学校活用の事例で、両併小学校を未来公社で使用しているが、協力隊が活用しているのにとどまっており、ほかのコミュニティでの活用も検討したい。老齢だけだからこそ生まれるビジネスもあるのではないか。
三辻 忍さん: 小学校の廃校を活用しているのをよく聞く。小学校跡利用までの道筋が気になる。外向けと地元向けの利用をすみわけ、落とし込みかたが気になる。外と内の需要をどう折り合いをつけたのか。
「地域課題はビジネスチャンスになりうるか」について、地域課題をビジネスで解決する両立できる事業をみずから考える。ケーススタディ①では、阿蘇地域と同じ鳥獣害の課題を持つ田辺市の事例「チームHINATA」を紹介。一つの同じ課題を解決しようとUターンでスタッフになるコミュニティにより、捕獲頭数の確保、ジビエの販路開拓、ジビエの普及を達成。令和2年には地元と梅蔵をリノベーションしたフレンチ店を開店。地域循環型の地域から身近な困りごとを解決することで必要とされるレストランへ。
またケーススタディ②では、高齢化による買い物難民を解決することを目的に、地域に無くなってしまった居酒屋を復活させるために、鮮魚店から居酒屋を発案。そこで賑わいが生まれ、小さな拠点が生まれた。
地方のビジネスで重要なこととして、本業を利用して解決できる身近な困りごとを探し、スキマを狙ったスモールビジネスから始める。コミュニティは武器になる。地域事業者とのつながりが価値を生み出す。
阿南望さん:スタッフを呼ぶことから始まり、コミュニティが生まれ、人を呼ぼうとなる。しかっかりと話すコミュニティがないからコミュニティを作るのが大事。いろんな人がいることも分かったので、地域の課題が一緒なら、コミュニティが出来て前に進むのでは。
木下里美さん:いろんな事例を聞いていると、共通して言えるのは、元々あるものを活用していること。その中でコストやリスクを抑えている。子育て子供がいるから働けないなら、ビジネスにつなぐのが大事では。
中武智愛さん:小さな拠点で専門性があるみんなでがんばることを学んだ。つながることが大事なコミュニティなので「人間性」が大事なのでは。
肥後銀行加倉井支店長:コミュニティで大事なのは、結局人間力にぶちあたる。自分自身と向き合うこと、自分を磨き上げることも大事。
熊本県信用保証協会芳本課長:地域課題について、理解が進んだものと思う。企業課題と地域の落とし込み、あとはどう金を生んでいくのか(ビジネスモデルの構築)
日本政策金融公庫 馬場課長:新しいビジネスにはお金がつきもの。元が取れるかが懸案となる。今日の事例はそのヒントになるのでは。地域にあるもの(人・コミュニティ)の活用もポイント。本質的にはビジネスの魅力も大事なのでそこを大事にしてほしい。
聴講生 角谷知咲さん:アイデアを見つけたいからこの講座を聴講した。養豚から派生するものがないので新しい発見があった。
阿蘇地域振興デザインセンター 江藤事務局長代行:11月29日(火)にオータムフォーラムを開催予定。3期生にも1・2期生と絡む場を作りたい。地域で稼ぐ→人が集まるのが大切。
講義終了後、オブザーバーの方を交えたフリートークタイム