2日目:開講式

2日目:オリエンテーション(8月3日開催)

髙橋理事長 挨拶

是非、皆さんの思いを形にしていただきたい。現在、地方創生といわれて久しいが何が大切なのかを考えたとき、私は一番は、やはり人だと・・思います。
人口は減っていくかもしれませんが、皆さんのような熱い思いを持った人が地方に少しずつでも増えていくこと、これが私としては何よりも地方創生ではないかと思いますし、その挑戦の種火というものが、どれだけ地域の中に伝播していくのか、それが大切だと思います。今回の未来創造塾の第2期が皆様にとって何よりも有意義な時間になること、それが、ひいては阿蘇地域の大きなうねり・・とかそういったものに繋がっていけば良いなと思います。

熊本大学 甲斐副学長

このあそ未来創造塾は昨年10月から阿蘇地域振興デザインセンターと包括連携協定を締結し、第1期生で11名の卒業生を輩出している。既にプロジェクトとして11名中4名は動き出している。残り5名も様々な伴奏により準備が終わりつつあると聞いている。そういった観点から準備を含めた稼働率は80%である。最近は、高校側が興味を持っており、地域課題を解決すべく、この塾と何らかの連携ができないかという話も出ており、新しい教育体制が作れないか検討している。地元で活躍するカッコイイ大人を皆さんが示して、進学後も地元に戻って来てくれる。また、活躍でも活躍できるということを示してくれる、いい機会になると考えている。塾生が先輩後輩、同期で繋がり地域の大きなプラットフォームになることを期待している。

熊本県阿蘇地域振興局 局長 沖 圭一郎 氏

私事ですが、山登りが好きで日本全国の山を登り歩いてきた。阿蘇のような雄大で、しみじみとした山は日本全国どこを探しても、ここにしかない。世界農業遺産、ジオパークにもなりましたし、世界文化遺産として、全力を尽くしております。非常にポテンシャルの高い地域であるし、今後世界から注目される地域である。熊本県でも熊本への人の流れを加速させるべく熊本県移住定住推進本部を立ち上げました。都市部の若年層をターゲットに豊かなくらし実現する政策を展開している。振興局にても管内の市町村と連携しながら地方創生に繋がる取り組みを支援したいと思います。今後ともご協力のほどよろしくお願いします。

日本政策金融公庫熊本支店 馬場 氏

昨年も、あそ未来創造塾の1期生のカリキュラムに参加し色々とお話させて頂いた。その中で印象的だったのが、地域にはたくさんの良いところがあるが、それを活かしきれていない。とか、地域をもっと元気にできる取り組みを行いたいという目的意識をもった塾生が非常に多かった。最初から大きな計画でなくてもいいです。小さなことから始めましょう。実現できるビジネスプランを形にしていただきたいので一緒に頑張りましょう。

熊本県信用保証協会 芳本 氏

皆さんは信用保証協会について、ご存じない方が居られるかもしれません。私たちの仕事は民間の金融機関の融資に保証を付ける、融資をし易くするための会社です。昨年の1期生の時から我々もお声掛けさせて頂き、ディスカッションする中で色々、切磋琢磨させて頂いた。今回も2期生の講座に参加させて頂けるということで、是非、皆さんの活躍と阿蘇地域のさらなる発展に協力させて頂きたい。

熊本大学 金岡先生のオリエンテーションより

理事長の言葉にもありましたが、まず、わたしの自己紹介です。大学に移る前はシンクタンクという銀行の研究所で色々仕事をしていました。インフラを作る仕事を沢山してきた。一番最初は東九州自動車道の路線を作ったり・・ですね。その時には地域がどう変わっていくのか、先程は地方創生、人口が減るという課題でしたが当時は、人口どんどん増える、生活が変わるんだ。そのためにはどうしたら良いか、となると高速道路とかが引ける時代だった。

民間企業の人とやっていて報告書を作ればいいか、ということでやっていたが、中々実現できない状況があり、そのような中で大学に転身しながら、企業が地域の課題を解決できないかという取り組みをH18年ごろからやり始めた丁度、この頃が地域活性化の考え方が変わってきた時期で、CSVという企業の新しい考え方で地域課題を解決していこうというもので昨年、熊本に移ってきました。

地域の課題を解決することで「カッコイイ企業」となっていく。これが主眼です。イノベーションというと、PC作ったり、IT関係の先端技術を考えるんですけど、そうではなくて、「ローカルイノベーション」というのらしいです。

この塾に初めて注目してくれたのが「伊藤園」でした。伊藤園のHPみるとCSRとかCSVとか書いてます。2008年くらいから富山で実験やっていて、それを2016年田辺市に移して、2020年から八代市に移して・・2021年から広域の阿蘇に移してます。田辺市でも阿蘇でも1期目から動き出しました。さきほど髙橋理事長が言っていた「うねり」が注目され始める。

シティープロモーション・アワードというのがあるらしいが、地域の知名度を上げていくという中で人材育成が注目されている。SDGSの未来都市という形で、去年、和歌山県田辺市が選定で1位になったようです。それ以来、視察が増えたみたいです。「こんなまちにしていきたい・・」という動きが出てきているんです。

若い人が進学を機に故郷を離れる。行ったは良いが戻って来ないのが問題なんです。何故、戻らないか?それは仕事がないからです。そういう点で、先程のカッコイイ大人・・という話に繋がります。みんなが戻って来れるような仕事を作らないといけない、という世の中に変わってきたのです。だから、ここに住んでいけるような面白い仕事を創ろうと。実はこれが地方創生で、そのために何ができるのかを皆で考えていこうというもの。

今必要なものはインフラを作ることではありません。皆さんと一緒になって地域課題を解決し、地域を活性化していく、稼ぐ地域を作っていくということです。地域の中から革命を起こしていこうということです。

阿蘇DC 興梠さん

社会情勢と国の状況なんですが、2030年には高齢化率が30%ととなり、2050年には40%に近づくというデータです。人口が減っていく中で何が大切かと言いますと地方創生と言いますが、地域課題の解決とビジネスの両立CSV]という考え方です。地域と企業がウィンウィンの関係になることです。

あそ未来創造塾を運営している公益財団法人 阿蘇地域振興デザインセンターですが、昨年度に中期計画を策定しました。令和4年~令和8年の中期計画として、長期ビジョンは「ずうーっと住み続けられる阿蘇づくり」を目標としてやっている、そんな中で人口減少が地域課題となっている。阿蘇管内7市町村と私の地元の山都町の人口の合計が2015年時点で約8万人ですが、2045年には4万人切るという予測値が出ております。 この状況を打開するために熊本大学の金岡先生にご協力を頂くことになりました。金岡先生の講義の中では、「地域課題はピンチではなく、むしろチャンスではないか・・」という逆転の発想でやっていきます。この講義では大きな一つのプロジェクトをやるよりも、小さなスモールビジネスを数多く創出することが目標です。既に第1期生が卒業しておりますが、それぞれ、お米を使った甘酒であったり、地熱を使ったコーヒーだったり、何人も実際に動き出しています。卒業生11名のうち9名が動いていると判断させて頂きました。

このように進学や就職で阿蘇を離れた子どもたちが帰ってくるためにカッコイイ大人が必要なのでは・・ということです。皆さんが地域で活躍できることを期待しております。皆さんと一緒にCSVを考えていきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

塾生の自己紹介

島川 愛 さん

門前町商店街でカフェをしている。今回、塾に参加したのは今、人が減っているというのもあり、この塾で知り合った皆さんと門前町だけでなく、阿蘇全体で何かお祭りみたいなことができないか・・先程、カッコイイ大人の話が合ったが、息子が県外に就職して、戻ってきたら農業をするために修行をしていますので、帰ってきたときに自分が見本となる大人になれるように頑張りたい。

鹿山 凌 さん

昨年、長崎県から地域おこし協力隊として移住してきた。現在、うぶやまラボにて観光商品の企画とPRをおこなっている。地域おこし協力隊は任期があります。その任期後に移住するために今、ヨガインストラクターとして地元の公民館でヨガのレッスンをしている。今回、この塾でのプロジェクトは、公民館を飛び出して、阿蘇という大自然の中でヨガを行う、「阿蘇ヨガプロジェクト」を考えている。自分の強み、阿蘇地域の強み、地域の課題、個別のニーズを組み合わせて面白い化学反応が起こせるのではないかと思います。

佐浦 有節 さん

産山村からです。私は9年前に東京から移住してきて、まさに地方創生はカッコいいという思いでやってきた。宝石業を営んでいた。そのあと、旅館の事業再生コンサルティングのため地方移住の準備をしていた。今は、認定機関として全国の補助金の事業計画書を書いている。今後は、観光とリベラルアーツの人材養育ということで、「企業の限界を越える・・」そういった発想で、ソフトを学び、この地域の観光に貢献していくというビジネスモデルを考えている。

河津 希美枝 さん

株式会社新日本環境 南小国支店の河津です。私は1年前に40を過ぎて、小国に嫁に来てしまいました。何も知らず、何も考えず来てしまったところ、とても大変な思いをした。特に住宅事情で大変な思いをしたこと、前職でリフォーム業に携わっていたこともあり、その支店という形でリフォーム業をスタートした。この一年、活動する中で阿蘇に限ったことではないが、移住政策、人口問題・・に関わらせて頂いて、協力していきたい。

田中 千恵 さん

高森町で地域おこし協力隊をしている。丁度1年前に東京から高森町に移住してきた。現在は、地域起こし活動をしている「のうかつ」という団体とともにドライフラワー造りをしている。花農家さんが直接関わっており、新鮮な状態でドライフラワーを創ることができ、とても色鮮やかなものができる。見ているだけも元気が出るドライフラワーを使って、高森町だけでなく、阿蘇全体を盛り上げる活動をしていければと思います。

佐藤 和行 さん

小国町の一般財団法人学びやの里に勤めている。当財団は、地域振興系の事業を軸に町から指定管理を受けている施設にて、宿泊、温泉、レストラン事業、北里柴三郎博物館の管理・運営をおこなっています。コロナの影響で、収益の大部分である宿泊事業が減る中、あらたにキャンプブームにあやかる形でグランドをキャンプ場として開放している。当面は、宿泊とキャンプ場の共存で考えているが、今回はキャンプ場の拡張とサブスクリプション販売の実現というプランを考えている。

井上 祥子 さん

6年前に福岡の八女市から阿蘇の自然が大好きで移住してきた。今は南小国町に住んでいる。今、食、医療、農業とかに関心があり、消費者団体(ママエンジェルス)でも活動している。特に食に関心があるので耕作放棄地を活用して、循環型農業をすることで心も身体も健康になるようなものを観光にもビジネスにもつなげたいと考えている。

野村 琢磨 さん

熊本出身だが、今、東京で会社員をしている。合同会社ogunistでは「変わらない故郷が世界を美しく変える」という企業理念を軸に既存産品ではなく、既存素材を活用し、地域の方が当事者となってビジネススキームをイノベーションすることを目的に会社員の傍ら、創業したばかりの会社です。第一弾として、小国杉ジュエリーブランド「KALCANO(カルカノ)」を立ち上げているビッグメゾンを凌駕すべく、ラグジュアリーブランドを目指して走っているところです。今回の塾ではカカオ豆の自給ということで、世界のチョコレート市場約20兆円の中で、小国産のカカオ豆を自給することで阿蘇地域全体のブランド価値を上げていければと思います。

トークセッション

安部 浩二 氏(株式会社SMO南小国 COO兼CFO)

株式会社SMO南小国の現場責任者を務めている。地域商社的な機能をもった組織。また、観光協会の運営事業、情報発信だったり、未来塾事業(人材育成)を行っている。

久保尭之 氏(新型コロナ後を見据えた阿蘇未来づくりWG 代表)

小さい店舗開拓などチャレンジ中

Q1:アフターコロナ、ウィズコロナの阿蘇の未来について

【安倍氏】

国の方向性(デジタル田園都市、DX)と合致するが・・都市部の見方が多い、画一的な対応=DX

  • 地域が先進地域、地域ならでは、物産館・職員管理に都市と同じマネジメントはできない。地域の多様性に都市画一性がついてこない=地域課題=ここにチャンスあり。
  • しかし、手段としての使いこなしは重要。
    (例)旅館経営、担い手雇用、旧態でない新しい雇用=DX、マネジメントコスト削減。
  • 地域が遅れている、後塵ではない。

【久保氏】

  • トレンドワードに振り回せる必要なし。顧客デジタル化チャンス
    (例)ヨガ、デジタル、新たな商圏&可能性拡大
  • 最大幸福 ⇒ 多元的幸福社会へ、新サービスでもチャンスあり。

Q2:地域課題解決とビジネスについて

【安倍氏】

  • 地域課題はチャンスだが、何故、課題かの分析(構造化)が必要。
    (例)店舗ない ⇒ 商圏から店舗型でない運営、モデル  これがチャンス、地域としてのカスタマイズが必要。
  • CSVを超える、課題の重複、企業の社会的責任など

【久保氏】

  • スケールしないものが強い、シェア化でない、都会にできないとがったもの。
    (例)阿蘇食材、イタリアン、店舗

    (例)不動産も手数料ビジネス×、地方ならではの不動産ビジネスが必要。

Q3:今後、あそ未来創造塾に期待すること

【安倍氏】

  • 社会課題解決の担い手、ここが目的になるとしんどい=CSR
  • OUTPUT(売上・・)のその先の影響、波及効果で良いのでは・・

【久保氏】

  • 地域課題解決を背負いすぎない
    ビジネスは大変 ⇒ 儲かる、地域課題<自分が楽しい・・計画通りにはいかない
    5月開業 ⇒ 8月に延期

  • モチベーションが続くことが大事、阿蘇は小さい企業、新しい形態へ

甲斐広文副学長 講評

あそ未来創造塾第2期生は、他の塾と雰囲気が違い、移住してきた方が他の塾に比べても多い。それだけ阿蘇という地域に人が集まる魅力があるということ、その魅力を活かしきれていない事が阿蘇の課題といえる

他の地域では地元で事業承継や第2創業をする人が多い、その人たちが塾を通じて地元のことや地域課題についてあらためて気づいている。今回の第2期生は外からの視点で阿蘇をみている。

元々そこに住んでいる人々とのチームプレー、地元に入り込んでいく事が、ワクワクしてやりたいことをやるための秘訣と思う。お互いが尊重しあう事が、より周りのひとを巻き込み仲間を増やしやりたいことをやれるようになると考える。ここに移住している人が成功している姿を世界に発信する事が、皆様の役割かと思う。

開講式終了の挨拶  高橋理事長

先程の挨拶でも喋ったが、挑戦することがとても大切だと常々思っています。個人であったり、団体であったり、地域というものを私たちがどれだけ共に共創していいけるのかが大切だと思います。

こういった「挑戦の種火」を地域の中でいかに伝播させていくかという所で、挑戦の連鎖を生み出す、それが大切だと思います。挑戦しようとしている方の姿勢はとてもパワーが溢れていて、建設的で、自律的であることをすごく感じます。こっちも見ていて元気になる。

こういった連鎖を私は「うねり」という表現で使わせて頂いた。副学長との話の中で、阿蘇の特徴というのは外からの人が多いよね・・という話になった。地元の人は地元に居すぎて、地元の良いところ、悪いところの感覚が鈍感になっている。皆さんは新鮮な目でそれぞれの地域を見ることができるのは強みだと思います。外からみて疑問に思うことで、新たな議論、新たな価値が生まれるのではないか。

内の地域でも事業承継や、地域おこしの活動は行っているが、大切なのはワクワクすること、でないと持続しないと思います。なので皆さんが取り組む中で、途中で立ち止まってワクワクするか、振り返ってもらうと良いと思います。

後援団体

  • 九州財務局
  • 熊本県八代市・天草市・玉名市
  • 和歌山県田辺市
  • 富山県南砺市
  • 株式会社日本政策金融公庫 熊本支店
  • 熊本県信用保証協会
  • 株式会社熊本銀行 阿蘇支店
  • 熊本県信用組合 高森支店
  • 阿蘇市商工会
  • JA阿蘇